看護記録虎の巻

SOAP形式のベースとなる書式

ゴードンなどの看護理論を活用する

ゴードンなどの看護理論を活用する
書式は「POS」と「FC」の2種類

書式は「POS」と「FC」の2種類

看護記録にはPOSと呼ばれる問題志向型システムと、FCと呼ばれるフォーカス・チャーティングの2種類の書式があります。

「POS」

「POS」

問題志向型システムであるPOSは、患者が現在抱えている問題に焦点を合わせ、それを解決するための作業システムや考え方を記録する書式です。患者の視点に立って問題を解決するため必要な情報をまとめているわけですが、「基礎データ」、「問題リスト」、「初期計画」、「経過記録」、「サマリー」の5項目から構成されています。
「基礎データ」には大きく分けて4つの要素が存在します。患者の健康状態に関する情報を収集し記録する「病歴」、視診や聴診、触診などで情報を収集して記録する「診断所見」、診察前のすべてのデータを記録する「検査データ」、患者のもの忘れなどによる情報の見落としを防ぐために呼吸器系や皮膚系統、内分泌系統、血液系統などのチェックデータを記録する「統計別レビュー」から成り立っています。
「問題リスト」は7項目あります。病名や症状、検査所見などの「医学的領域の問題」、「生活環境の問題」、「嗜好・習慣の問題」、失業や離婚などの「社会的問題」、病気に対する不安などの「心理的問題」、「経済的問題」、「不具・身体障害的問題」です。
問題リストを取り上げた後は医療情報を得るために「診断計画」を立て、それから治療目的と内容を具体的に記述して「治療における計画」を立てます。また、患者や家族に対して疾患の種類や特徴、治療法や個人的な節制の仕方などスムーズに治療ができるように説明する、「教育計画」を立てていきます。
「経過記録」は、一般的にSOAP形式で記述していきます。SOAP形式とは、問題ごとに「S」(主観的情報)、「O」(客観的情報)、「A」(アセスメント)「P」(プラン)の4項目に分けて記述していくものです。「S」「O」「A」「P」の他に、「I」(介入)、「E」(評価)、「R」(修正)が加わることもあります。
「サマリー」には、「中間要約」と「退院時要約」があります。患者の問題を解決するために実施した内容やその成果を分かりやすく箇条書きで記述します。

「FC」

「FC」

フォーカス・チャーティング(FC)は、問題そのものではなく出来事に焦点を当てて記述する書式です。患者が抱える問題とケアの内容、目標などに焦点を当てて情報を収集し、患者の関心、注意すべき行動や出来事、不安な点などを記述する「Focus」(フォーカス)、検査やバイタルサインなどの主観的・客観的データを記録して、介入が必要な状況かどうかを詳細に記述する「Data」(データ)、フォーカスに対して行った処置や治療、指導、今後の計画などを記述する「Action」(アクション)、アクションに対する患者の様子を記述する「Response」(レスポンス)の4つの要素から構成されています。

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