看護記録虎の巻

SOAP形式は経過記録の書き方のひとつ

記載例を見てみよう

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「経過記録」の記述方式である「SOAP形式」とは?

「経過記録」の記述方式である「SOAP形式」とは?

看護師が情報を収集し、アセスメントした結果を記録する看護記録のうちの経過記録で一般的に用いられているのがSOAP形式です。

事実にもとづいて書くことが大事

事実にもとづいて書くことが大事

SOAP形式で記録した文書は法的文書にもなります。何を考えてどのように行動したのかを証明する文書にもなるため、医療裁判などに発展した場合は看護師自身を守る武器にもなります。しかし、きちんと書かれていなければ法的文書として意味をなさなくなってしまいます。

書き方

書き方

SOAP形式には、Sから順に書く方法とAから書く方法の2つあります。ですが、厳密にマニュアルが定められているわけではないので、自分のやりやすい方法で書きましょう。ケアの根拠になるSOAP形式の書き方が身につけば、看護師として働くうえで非常に役に立ちます。正しい書き方をマスターしましょう。
「S」は主観的情報のことです。例えば、開腹手術を終えた患者が「痛みが強くて眠れない」と訴えている場合、「痛みが強くて眠れない」がSになります。Sには患者が直接話した言葉だけでなく、筆談や手話など言語を使わない訴えも含まれます。また、看護師がケアするのは患者だけではありません。その家族もです。そのため、ケアに関することであれば家族の訴えもSに含まれます。
「O」は看護師として診た客観的情報のことです。患者の訴えたS以外で、直接目で見たものや手で触れたもの、これまでのデータなどすべての情報がこれに含まれます。例えば、「苦悶的な表情」「G音は著明」「ドレーン内の出血は褐色」などです。「O」で重要なのは、「患者の問題に関する情報を選んで書いているかどうか」です。情報を取捨選択しなければならないため慣れるまでは大変です。情報は多い方が治療計画を立てやすくなりますが、無駄な情報まで書いてしまうとそもそもの問題が分かりにくくなってしまうからです。
「A」はアセスメントのAです。アセスメントとは、患者の訴え、看護師自身が収集した情報をもとにして、何が問題なのか、問題がないとしたらなぜそのように思うのか、などを考えてまとめることです。患者からの訴えと、訴え以外の看護師自身が得た情報をもとに、何が問題だと考えたのか、そして問題がないとしたらなぜそのように思うのかを考えなければなりません。このアセスメントは看護師にとって最も大事なことです。日々の業務でもアセスメントを考えて仕事をしなければなりません。アセスメントをきちんと行うことで患者の安全を守れるからです。
アセスメントの結果を受けて患者に必要な治療内容を書いていくのが「P」です。ここには看護師として自分が行うべきことを具体的に書きましょう。よく「計画継続」と書く人がいますが、それだけでは何を継続し、何を実行するのか分かりません。見た人が理解できる書き方を心がけましょう。

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